XMLについての記事は久々になってしまいました。
医療用医薬品添付文書の新記載要領に伴い、SGMLデータがXML形式に変更になる事になり、最近はXMLについてのお問い合わせも増えています。今のうちにXMLに関連する基本的な情報については、理解しておきましょう。
今回はXSLTについて概要を解説します。
簡単なXSLTを実行してみて、どのような事が出来るのか実感してみましょう。
XSLTとは
XSLTは、一言で言うとXMLを扱えるコンピューター言語のひとつです。
XMLをHTML等の別のデータ形式に、容易に変換する事が出来ます。
たとえば、本のタイトル、著者、価格等の情報を記述されているXMLがあったとします。これらの情報をどの様に表示するかは、XMLには記載しません。XMLは基本的に情報を保有しているだけだからです。
XSLTは、XMLから情報を取得して、見やすい、使いやすい見た目に整形するのが主な役割です。
XMLから取得した情報を基にHTMLを作成する事が多いです。
今回のサンプルもXMLをHTMLに変換するサンプルになります。
必要なもの
※基本的にwindowsPCで作業する事を前提に説明します。
- メモ帳
- インターネットブラウザ
XSLTを実行するのに、特別なものは必要ありません。
なぜならインターネットブラウザがXSLTに対応しているからです。 IEかFireFoxでご確認ください。Chromeも表示は可能ですが、一部設定を変更する必要があるので、ここでは非対象とさせていただきます。
サンプルデータの確認
まずはサンプルファイルをダウンロードしましょう。
zipファイルの中に下記の3ファイルが格納されています。
- sample_pi.xml(XSLTに変換されるXMLです。)
- sample_pi.xsl(XMLを変換するXSLTです。XSLTの拡張子は.xslです。)
- sample_pi.xsd(上記XMLのXMLスキーマです。XSLTの変換には直接必要はありません。)
まずは、メモ帳で「sample_pi.xml」を開いてみましょう。下記の様になっています。
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文章の量はかなり少ないですが、医療用医薬品添付文書を意識したXMLのサンプルです。
ポイントは2行目の記載になります。
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この1行で「sample_pi.xsl」という名前のXSLTとリンクさせている訳です。
XSLTの実行
それでは、今度は「sample_pi.xml」をインターネットブラウザで開いて、XSLTを実行してみましょう。
下記の様に表示されるはずです。
XMLのソースのままではなく、それらしく表示されました。ここでは以下の様な処理が行われています。
- インターネットブラウザがXMLを読み込む
- XMLに記述されたXSLT(sample_pi.xsl)を実行して、XMLをHTMLに変換する。
- 変換後のHTMLをインターネットブラウザ上に描画する
XSLTが変換したHTMLをブラウザの画面上に表示している訳です。
「sample_pi.xml」をメモ帳で開いただけの素のXMLの表示に比べて、ずっと見やすくなりました。
このようにXSLTは、XMLの情報を、利用者が使いやすい様に表示するためのツールとして使われます。
まとめ
XSLTは、XMLを扱う事が出来るコンピューター言語。
利用者に合わせてXMLの情報をさまざまに変換する事が出来ます。
インターネットブラウザだけで実行可能。お手軽なXML変換ツールとして利用される。