弊社では医薬品・医療機器添付文書のSGMLデータを作成していますが、SGMLが一般的によく知られているXMLやHTMLとどう違うのか、社内外からたまに問い合わせがあるので簡潔に違いをまとめてみました。
なるべく技術的な内容には触れず、どなたにでもわかりやすい相違点でまとめてみました。
大変大雑把な説明になりますが、概要としてご理解いただければと思います。
SGML | XML | HTML | |
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1.分類 | マークアップ言語(Markup Language) | マークアップ言語(Markup Language) | マークアップ言語(Markup Language) |
2.歴史 | 1986年ISOによる規定 | 1998年W3CによるXML1.0勧告 | 1999年W3CによるHTML4.01勧告 |
3.開発の経緯と目的 | 文書の電子化の為に開発 | インターネット上でのデータの受け渡しの為にSGMLを元に開発 | インターネットブラウザでページを表示する為にSGMLを元に開発 |
4.主な用途 | 各種マニュアルや公的文書等の電子化 | ウェブショッピング、RSS、データベースの仕様、自動組版等 | 多くのウェブページ |
1.分類
相違点の前に共通点として、いずれもマークアップ言語(MarkupLanguage)に分類されます。因みにSGML、XML、HTMLの「ML」はこの「マークアップ言語(MarkupLanguage)」のMとLの略です。
マークアップ言語とは「<」と「>」で囲まれたタグと呼ばれる符号で構成されているデータです。
例えば医薬品・医療機器添付文書のSGMLだと<item>や<detail>、<serialno>といったタグを用いてデータがつくられています。
2.歴史
もっとも古く規格が定義されたのはSGMLで、XML、HTMLはSGMLの技術を一部応用して開発されています。
3.開発の経緯と目的
SGMLは、もともと大量の紙の文書を電子化して管理する為に開発されました。
やがて、インターネット上でのデータの受け渡しが求められるようになりますが、SGMLは自由度が高いが故に仕様が複雑な為、インターネット上での取り扱いは不向きでした。
そこでSGMLを元に仕様を簡素化して扱いやすくしたXMLが開発されます。XMLはインターネットを通じて様々な情報を正確に伝えるための主要なフォーマットとして広く普及します。
XMLはデータの受け渡しを目的としましたが、HTMLはインターネットブラウザでの表示する為にやはりSGMLを元に開発されました。他のページへのリンクや画像の表示等、ウェブページの基本的なレイアウトを司る言語として現在に至るまで最も一般的に普及しています。
4.主な用途
SGMLは医薬品・医療機器添付文書の他、工業製品のマニュアルや報告書等の電子化等で利用されているそうです。
XMLはインターネットを通じた様々なサービスで利用されています。
ウェブショッピングで入力された発注情報の管理や、ウェブサイトの更新情報をまとめるRSS等、日々インターネットを通じて受け取る様々な情報がXMLによって支えられています。また、データベースの情報管理に用いられたり、DTPにおいては自動組版のシステムで利用される事もあります。
HTMLについては、インターネット上の多くのウェブページがHTMLで記述されています。
まとめ
SGMLは文章の電子化
XMLはインターネット対応のデータ受け渡し
HTMLはウェブページの構築
見た目や名前は似ていますが、利用方法や目的が異なります。
なんとなくごちゃごちゃになりがちなこの手の用語の整理のお役に立てれば幸いです。