新記載要領の改訂記号の付し方について1

新記載が始まり約2か月が経過いたしました。
各製薬会社様は新記載要領の進展はございますでしょうか?
弊社としては現状のペースでは5年で終わらないのではないかと思い、少々不安を感じております。

さて、今回話題に挙げたいのは、XMLの改訂記号の付し方に関してです。
既に新記載に合わせて改訂が入った製品が数製品見受けられますが、新記載では改訂記号の付し方について明確なルールが設定されました。
今後改訂が増えてきた際に混乱を招かぬよう整理しておきたいと思います。

この記事では、「医療用医薬品添付文書情報XML作成ツール」(以下「XML作成ツール」)を例に使用し、XML上での付し方を中心に解説いたします。
とは言え基本的にPDFとXMLでの改訂記号の付し方は同等になるはずですので、どちらの場合でも参考になるかと思います。
なお、例に使用するXML作成ツールは、2019年5月13日頃に公開されたver.1.0.6.0を使用しております。

はじめに

改訂記号に関する資料・記述はそれほど多く存在しません。
説明文だけでは分かりづらいですが、PMDAに掲載されている「新記載要領に基づく添付文書等の作成の留意点(Q&A)について」のNo.18に下記のような記述がございますので、この記述が基準になるかと思います。

改訂箇所に該当する最も下位の項目番号の前に「*」又は「**」を付し、下線などの修飾は付さないこと。
ただし、下位の項目を全て新設した場合は、それらを包含する上位の項目番号の前に「*」又は「**」を付すこと。
表形式で記載する「10.1 併用禁忌」、「10.2 併用注意」及び「11.2 その他の副作用」においては、最左欄の事象名又は薬剤名の前に「*」又は「**」を付すこと。
該当する項目名及び項目番号ごと削除した場合は改訂箇所の表示は要さないこと。

また、製薬協の方からも上記の通知等の内容を纏めた上で補足を加えた「医療用医薬品添付文書情報の電子ファイル作成の手引き」が発行されておりますので、参考になるかと思います。

基本的な改訂記号の付され方について

改訂記号は一部を除き、「1.警告」や「9.1.1○○○」などの3桁までの項目番号が記述された項目にのみ付することが可能です。(※(1)は不可)
項目という点で言えば山括弧(〈○○○〉)やビュレット(•)から始まる文章にも改訂記号を付したくなりますが、新記載では付することはできません。

下記の画像はXML作成ツールの編集画面(画像1)とそのHTMLプレビュー(画像2)です。
3か所に改訂記号を付していますが、項目番号付きの段落である「2.2.1 けふこえて」と「2.2.3 ゑひもせす」の改訂記号は編集画面・プレビュー共に同じ段落に対して改訂記号が付されています。
それに対し、2.1内の「わかよたれそ」に付した改訂記号は「2.1 いろはにほへと」の前、つまりは「改訂箇所に該当する最も下位の項目番号の前」に移動しているのが確認できます。

飽くまでも改訂箇所の前ではなく、項目番号の前に表記されるのが新記載の改訂記号の特徴となります。

ModifiedExplanation1_Graphic1_190523画像1 XML作成ツールの編集画面(基本編)

ModifiedExplanation1_Graphic2_190523

画像2 HTMLプレビュー(基本編)

改訂記号が上位の項目に包含される場合

こちらが非常に分かり辛い仕様となっております。
複雑な挙動を示す場合もありますので、そちらも含めご説明いたします。

標準的な包含処理

通常であれば下記画像3の2.1.1などの様に、改訂した項目に対し改訂記号を振れば、項目の項目番号前に改訂記号が付されます。
しかしながら新記載では「下位の項目を全て新設した場合は、それらを包含する上位の項目番号の前に「*」又は「**」を付すこと」とされています。
その為、下記の2.2の場合「2.2.1,2.2.2,2.2.3の項目が改訂される」→「2.2の項目内が全て改訂される」→「2.2が改訂された」という解釈となり、結果として上位の2.2に改訂記号が集約して付されます。

ModifiedExplanation1_Graphic3_190523

画像3 XML作成ツールの編集画面(包含編1) 

ModifiedExplanation1_Graphic4_190523

画像4 HTMLプレビュー(包含編1)

複雑な挙動の包含処理

XML作成ツール上では、今回改訂(**)と前回改訂(*)が別々にカウントされているようで、包含する処理の際に分かりにくい挙動になることがあります。
特に注意したいと思うパターンが下記画像5,画像6のような場合です。

下記の例では2.1.1と2.1.2に今回改訂(**)・前回改訂(*)の両方が、2.1.3に前回改訂(*)のみが付されています。
この場合、最も下位の項目である2.1.nには共通して前回改訂(*)が付されている為、前回改訂(*)だけが上位の項目に包含され、結果的に「2.1 いろはにほへと」に対し改訂記号が付されます。
一方、今回改訂(**)はそのまま元の箇所に残り、2.1.1と2.1.2に付されました。

一塊になっていた改訂記号が分離されましたね。
前回改訂のみが移動したため、2.1.1と2.1.2は今回改訂・前回改訂の両方がされたという意図が読みづらくなったように思えます。
新記載要領では改訂箇所に下線が引かれなくなった為、このような場合の改訂記号の解釈には注意を払う必要があるでしょう。

ModifiedExplanation1_Graphic5_190523

画像5 XML作成ツールの編集画面(包含編2)

ModifiedExplanation1_Graphic6_190523

画像6 HTMLプレビュー(包含編2)

まとめ

新記載ではこれまでと異なり、意図した箇所に改訂記号を付すことができない、又はされていない場合が多々出て来ると思われます。
添付文書を読む側が読み解き方を理解する必要がありそうです。

改訂記号に関してはもう少し説明する必要があるかと思いますが、今回はここまでで一旦区切らせていただきます。
次回は特徴的な改訂記号の付され方のする項目をピックアップしてご説明したいと思います。

 

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